希望のメッセージ
黒のアフタヌーン姿のヘレン・ケラー女史は二〇九番の船室で静かに語った--。1937(昭和12)年4月16日の東京日日新聞(現毎日新聞)夕刊は彼女の来日をこんな書き出しで伝えている。(中略)事実、滞在中各地で大歓迎を受けた▲70年後の今月12日、東京大学入学式で、福島智・東大先端科学技術研究センター准教授が祝辞に立った。小学3年生の時に光を、高校2年で音を失って盲ろう者となった。ヘレン・ケラーが世界で初めて盲ろう者として大学に進んだことを励みに大学進学を果たし、研究者として歩いてきた。国内では前人未到の道である▲「人間はひとりぼっちでは生きていけない」「どのような困難な状況にあっても、可能性がゼロになるということはない」。自身の体験からこの二つを学んだという福島さんは、「他者の立場を想像する力と、他者と協力しながら新しいものを生み出していく営み」こそが挑戦であると訴えた▲ヘレン・ケラーも珠玉の言葉を数多く残した。「知識は力なりという。しかし、私は、知識は幸福だと思う」「すべては驚きに満ちている。暗闇と沈黙の世界も例外ではない。だから、私はどんな境遇にあっても、満足することを学んだのだ(以下、略)


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